低価格でpreference rating 推定スコア6.0以上を目指す自作スピーカー設計/製作プロジェクト、その2です。注文していたユニットが届きましたので、さっそく確認していきましょう!
目次
届いたユニットの確認
注文していたユニットが届いたので、細部を確認していきましょう。
※通常は注文から一ヶ月ほどかかります。ご注意ください。
ND25FW-4
裏側を見れば値段相応の仕上げですが、正面は文句なしのビルドクオリティです。waveguideは樹脂製ですが、表面にアルマイト風の凹凸がありますので安っぽさはありません。
RS125-8
アルミコーン、フェイズプラグともに非常にきれいです。Daytonのリファレンスシリーズは『自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブック』の第五章の3Wayでも採用しましたが、他章のスピーカーを圧倒する音質でしたので、期待が高まります。

T/Sパラメータ
さて、さっそくT/Sパラメータを測定してみましょう。いざ届いて測定してみたらスペックシートと全然違う……なんてことになりかねないので注意が必要です。とりあえず軽くBreak-inしてから測定してみました。
T/Sパラメータの詳細や測定方法、およびBreak-inについては『自作スピーカー エンクロージャー設計法 マスターブック』で紹介していますので、ここではマスターブックでは紹介していなかったデルタマス法(Delta mass method/Add mass method)について少し触れておきます。
デルタマス法
デルタマス法というと、硬貨などを両面テープでコーンに貼り付ける方法が一般的かと思いますが、今回は実験的にセリアで売っているネオジム磁石を使って測定してみました。密閉箱を作るのがめんどくさいとかそういう理由ではない!いいね?
という事で、さっそく磁石の重量をキッチンスケールで測定してみます。10円玉などの硬貨を使ってズレが無いか確認したあと、磁石を測ってみます。コーンの保護のため、磁石両側に同じくセリアで購入したフェルトを接着しています。また、磁力の影響を避けるために、箱を置いて風袋引きしています。

ちょうど4つで8.00 gですね。ホンマか? とりあえずこれで測定してみましょう。
※スピーカーに磁石を取り付ける際、最悪コーンを破損する危険性がありますので、十分注意してください。当サイトでは生じた損害に対し、一切責任を負いません。
測定結果
測定結果は以下になりました。磁石由来の共振が見えますが、T/Sパラメータを測定する目的であれば無視できます。fsとQtが少し高いですが、ほぼスペックシート通りの特性になっていますね。想定通り、小型ブックシェルフとして十分に使える特性となっていることが確認できました。


次回予告
次回はいよいよエンクロージャーのシミュレーションです。お楽しみに!
補足
今回はweb連載という事で、かなり省略して記載しています。より実用的な自作スピーカー設計の手法や作例については、好評発売中のマスターブックシリーズ各書にて詳しく解説しておりますので、ご参考いただければ幸いです。

『自作スピーカー マスターブック』著者。性能を重視したスピーカーとアンプの自作を行っている。