クロスオーバーネットワークを設計する

クロスオーバーネットワークは、コイル、コンデンサー、抵抗を組み合わせて作る

測定データを準備する

エンクロージャーに取り付けたツイーター、ウーハーの周波数特性とインピーダンス特性のデータが測定できたら、いよいよクロスオーバーネットワーク設計に取りかかれます。もし測定がまだなら、「スピーカーの周波数特性を測定するには」に戻って、測定の準備をしましょう。

設計ソフトはVituixCADを使う

データを取り込む

ツイーターとウーハーの周波数特性インピーダンス特性VituixCADに取り込みます。

クロスオーバー周波数を決定する

ユニットの口径や周波数特性の状況を見ながらクロスオーバー周波数を決定します。実際どの周波数にするのが妥当なのかについては、一例として書籍『自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブック』の5つの作例で各著者が検討をする部分を詳細に記載しているので、参考にしてください。

ターゲットスロープを設定する

ターゲットスロープとは、ツイーター、ウーハーの音圧周波数特性の最終目標になる特性です。コイル、コンデンサー、抵抗などのネットワーク素子を使って、ターゲットスロープにできる限り合致するよう回路を設計します。

ターゲットスロープは数学的に定められたスロープ(カーブ)で、オーディオ用途にはたった数種類しかありません。それ以外のスロープを用いてもクロスオーバーは正しく整合しません。この理論については『自作スピーカー 測定・Xover設計法 マスターブック』Chapter3「クロスオーバーネットワークフィルター理論」の章に、1~4次のフィルターの振幅特性、位相特性、群遅延特性をグラフと共に解説しているので参考にしてください。

ターゲットスロープ

ターゲットスロープ(ピンク線)は一般的に、24dB/oct Linkwitz-RileyLR4)と呼ばれる4次のフィルター特性に合わせます。ここでは例としてツイーター用にLR4@2kHzを設定しました。赤線がツイーターの裸周波数特性です。

ネットワーク素子を挿入して値を動かす

ここではコイル1個、コンデンサー1個の回路構成を組んでみました。初めはターゲットスロープにあまり合致していませんが、コイルやコンデンサーの値を動かしていくと、徐々にターゲットスロープに合致していきます。

ネットワーク設計で素子の値を動かして周波数特性を確認する

オプティマイザーで素子の値を最適化

VituixCADでは回路設計を自動最適化するオプティマイザー機能が搭載されています。ターゲットスロープにできるだけ合致する素子の値の組み合わせは、自動で算出することもできます。

合成特性を確認する

ツイーターとウーハーがそれぞれターゲットスロープに合うようになれば、ある程度は合成特性がフラットになっているはずです。不十分な場合は、手動で素子の値を微調整します。

ネットワーク素子を購入して組み立てる

VituixCADで算出された素子をネットワークボード上に組み立てます。各素子は端子台にハンダ付けしたり、端子で圧着してネジ止めするなどします。ネットワークボードをエンクロージャー内で配線したら、無事完成です。


クロスオーバーネットワークの理論的な詳細は、書籍『自作スピーカー 測定・Xover設計法 マスターブック』、ネットワーク回路の素子組み立ての実際は、『自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブック』で詳しく解説しています。