本稿は上級者向けです。『自作スピーカー マスターブック』 シリーズにも掲載していない内容になります。
連載3回目は、VituixCADによる低域特性のシミュレーションです。その次の最終回でminiDSPを使ったフィルターの実装を行う予定ですが、設定のために必要なBiquadフィルター情報を得るところまでを今回解説します。
VituixCADによる低域シミュレーション
VituixCADでは「Tools」の「Enclosure」画面で、T/Sパラメーターを駆使してエンクロージャーの容積の決定が行えます。しかしこの画面ではLinkwitz Transformの特性の有無を確認しにくいので、ここでは「Crossover」画面でLinkwitz Transformを挿入した際の低域特性を確認する方法を紹介します。
Biquadフィルターの情報を得るだけで良い
上の説明では、意味を理解してもらいやすくするために手順が複雑になっているように見えますが、つまるところ、VituixCADのLinkwitz Transformブロックに現在値と目標値を入力してBiquadフィルターの情報を得れば良いだけ、ということになります。
miniDSP用のBiquadフィルター情報
biquad1,
b0=1.00019345333938,
b1=-1.99737810217529,
b2=0.997197590042827,
a1=1.99738371716176,
a2=-0.997385428395736,
今回得られたフィルター情報です
6行のテキストデータが得られました。これらの文字列は何を意味するのでしょうか? 次回が最終回です。