前回の投稿ではVituixCADでアクティブクロスオーバー回路の設計シミュレーションを行いました。シリーズ最終回は、算出された各フィルターの値をDSPに設定していきます。今回は一例としてminiDSPのminiDSP 2×4 HDという製品を用います。
目次
miniDSP 2×4 HDのアプリケーション画面
miniDSPの製品はデバイスを購入すると、操作するためのアプリケーションが付属します。また、アプリケーションのみ別途購入することもできるので、DSPを購入する前にどのようなことができるのかテストすることもできます。今回はminiDSP 2×4 HD用のプラグインソフト、2×4 HD1を使って解説します。
今回はユニットの特性もあり、とてもシンプルな設定で結果が得られました。DSPで設定するアクティブクロスオーバーは、メタル振動板ウーハーのBreak-upをしっかり潰すことや、3次や4次の急峻なフィルターを使うことが容易な点が醍醐味となると思います。
設定時の心構え
- 数値入力は慎重に行う
- 値がおかしくないか時々確認する
- 設定内容は別途ファイルに書き出して保存しておく
さて、3回の連載いかがでしたでしょうか? VituixCADのような強力なシミュレーションソフトがある現在、アクティブ型のクロスオーバーネットワークはとても簡単かつ自由自在に設計できるようになっています。本質的にやっていることはパッシブ型回路の設計と変わりません。DSPによるフィルター設計は、フィルターを重ね合わせることでとても細かく調整ができ、理想的な設計が行えるといってよいでしょう。
『自作スピーカー マスターブック』編集者。