第5章作例紹介「マスターブックチームが贈るフラッグシップモデル―余裕の低歪み広帯域を実現―」

A4オールカラー160ページ
価格 3,300円(税込)

自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブック』の第5章、3Wayトールボーイ型(バスレフ型)スピーカーの作例(通称:髙山モデル)を紹介します。この作例は5作例中でフラッグシップに相当し、最も高音質を狙った設計です。同時に製作コストも高くなっています。

ユニット

ユニットはDayton audioのリファレンスシリーズで統一しています。ウーハーに22.5cmアルミニウム振動板ウーハーRS225-4。ミッドレンジにはファブリック製振動板の5.2cmドーム型ユニットRS52FN-8。ツイーターには28mmアルミニウムドーム振動板のRST28A-4を採用しています。

ウーハー RS225-4

3Way スピーカーはウーハーユニットに大きな口径を使用できます。締まった低域を確保するため、高剛性であるアルミニウム製振動板のモデルを採用しました。

ミッドレンジ RS52FN-8

ミッドレンジユニットには、コーン型ではなくドーム型を採用しています。この選択の理由には、背景に大きなメリットがあるからです。本書P124「設計コンセプト」に詳細が書かれています。

ツイーター RST28A-4

ミッドレンジと同様にメッシュグリルによる振動板の保護がされています。同じシリーズのモデルを用いることでデザイン的にも統一感が取れています。

エンクロージャー

エンクロージャー容積は45リットルと、5作例中最も大型になりました。トールボーイ型として、高さ方向に長いエンクロージャーデザインなので、内部には補強板を2枚設けてエンクロージャーの強度を向上させ、共振による悪影響の低減を狙っています。また、この補強材は内部定在波を除去するための吸音材をエンクロージャー中心付近に保持する役割を担います。

ネットワーク

ネットワークは4次のLinkwitz–Riley型(LR4)をターゲットスロープとした、3次の電気回路で構成されています(ミッドレンジのみハイパス・ローパスフィルターとも2次)。ARTAの擬似無響室測定の結果を元に、VituixCADでネットワーク回路のシミュレーションを行いながら設計することで、40Hz~19kHz(±3dB)と広帯域でフラットな軸上特性に仕上げました。

ミッドレンジ用バンドパスフィルター。スピーカーの土台部分にあたる板材の上に固定する設計を採用。この他にツイーター用、ウーハー用が別々のネットワークボードとしてエンクロージャー底部に固定されます。底部はボルト固定式で取り外し可能。ネットワーク回路へのメンテナンス性が高い設計になっています。使っている素子の種類・定数は本をご覧ください

吸音材、スピーカーターミナル

吸音材、スピーカーターミナルは全て国内のショップで入手できる一般的な市販品を使います。スピーカーターミナルはシンプル構造を目的に、シングル接続タイプを選んでいます。吸音材に関しては最適設計のため、使用する製品とその分量を指定しています。この設計によりエンクロージャー内部で発生する定在波はほとんど悪影響が出ない状態に抑えられました。また、本のP151-152には、この作例スピーカーに使用した全ての部品一覧を掲載しています。

気になる音質は?

この作例スピーカーの音質については、本の中の「全方位レビュー」で著者5人がそれぞれ批評しています。音質だけで論じるとすると、このクラスのモデルになればメーカー製とコストパフォーマンスの点で逆転が起こっているのではないかと思わせるほどです。高音質3Wayスピーカーの好作例といえるのではないでしょうか。

このスピーカーのデモ機は、小説家・榎本憲男さんが所有し、雑誌『stereo』でもたびたび取り上げていただいています。月刊『stereo』2020年12月号 紹介記事


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