エンクロージャー設計について

自作スピーカーエンクロージャー
MDF材を使って作られた板材を合わせて仮組みしたエンクロージャー。このあと接着を行う

目次

材質は何を使うか?

自作スピーカーのエンクロージャー設計では、素材も重要です。エンクロージャーにはさまざまな材質を用いることができます。以下は代表的な材質です。

  • MDF
  • シナ合板
  • 無垢材

エンクロージャー設計
最適なエンクロージャーの容積は?

エンクロージャーを理論的に設計する際に必要となるのがT/Sパラメーターです。現在ではスピーカー統合設計ソフトで、自動的に最適な容積を計算することができます。上の図ではVituixCADというソフトウェアのシミュレーションを示しています。

密閉型

共振先鋭度(Qtc)の値が最適となるような容積を検討します。エンクロージャー容積が大きすぎたり、小さすぎたりする場合は、低域の周波数特性がフラットになりません。

バスレフ型

設計ではエンクロージャー容積(Vb)とポート共鳴周波数(fb)を決定させます。低域の周波数特性をフラットに伸ばすことができる組み合わせは、アライメントテーブルと呼ばれる表があり、ユニットのT/Sパラメーターと連動してその最適値が決まります。


エンクロージャー設計の理論的な詳細は、書籍『自作スピーカー エンクロージャー設計法 マスターブック』で詳しく解説しています。印刷版と電子版で発売中。

エンクロージャーの図面を引く

理論設計ができたら、実際に図面を引いてデザインしてみましょう。手書きでもかまいませんが、Fusuion360などの3D作図ソフトウェアを駆使すると、出来上がりの状態を正確に把握することができます。板材のカットはプロに依頼してください。

エンクロージャーの図面
『自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブック』第1章作例より 図では寸法が入っていませんが実際には各部寸法を記載します

自作スピーカー図面
『自作スピーカー デザインレシピ集 マスターブック』第1章作例より
自作スピーカーの板材
カット加工が完了した板材。あとは接着するのみ

接着

カット済みの板材は木工用ボンドとクランプを使って接着して組み立てます。この写真では、クイックバークランプコーナークランプの組み合わせで板材を固定しています。接着剤にはタイトボンドを使っていますが、初心者にはコニシの木工用ボンドがおすすめです。